プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ
プジョー・シトロエン・ジャポンはそれまで別々の会社であったプジョー・ジャポンとシトロエン・ジャポンが2008年に合併して設立された。双方が持つ人材や資源を効率的に活用する一方で両ブランドのCIをしっかりと棲み分け、それぞれのネットワークで販売が行われている。フランス本国における新車販売の重責を担っていたプレヴォ社長にこれからの日本市場への取り組みについて話を伺う。
クリストフ・プレヴォ
1967年生まれ。フランス、シャトールー出身。グルノーブル経営学院 大学高等過程(DESCAF)終了後、1992年、PSA プジョー・シトロエン・グループに入社。プジョーセールス&マーケティングマネージャーなどを経て、2011年からフランス国内のプジョー販売統括部長、2013年には直営販売店統括本部長に就任し、プジョー・フランスの直営店全70拠点、3,000名を超える従業員を統括する役職を担う。2015年4月より現職に。
グルメやファッションだけではない、フランスの魅力を発信していく。
フェルディナント・ヤマグチ(以下F) プレヴォ社長は、PSAに入社以来ずっとフランス本国を担当されてきて、今回が初めての海外でのビジネスになるとお聞きしましたが。
プレヴォ はい。入社以来約20年、ずっとフランスでプジョーだけを担当してきました。
F 他の国に行かれる選択肢もあったのでしょうが、どうして日本を選ばれたのですか?
プレヴォ 日本は文化的に優れた国ですし、個人的な興味も持っていました。また会社としても、いまグローバルに展開していこうという動きもあり、その波に乗ってみたいという思いもありました。日本市場ではプジョー・シトロエンは、まだまだ売れる可能性があるし、収益性も高めていけると感じています。そういうチャレンジ精神が沸いてきたのです。
F そういえば先日、PSA グループがモロッコに新工場を建設すると発表されていましたが、本社としてはそういったグローバルな展開に力を入れていく方針ということなのでしょうか?
プレヴォ そうですね。カルロス・タバレス氏がCEOになって以来、より国際化に力を入れています。世界を、南米、欧州、ロシア、アフリカ、中国、アジアパシフィック&インドの6地区に分け、それぞれに強化すべき課題を設け、さまざまなプロジェクトを立ち上げています。日本はそのアジアパシフィック地域における重要な市場という位置づけです。また、政情不安から一時期撤退していたイランへの復帰が決まりました。イランはPSAグループにとって世界2位となる大きな市場であり、今後のグローバル化に向けて大きな弾みとなるはずです。
F すでにご存じかと思いますが、日本は先進国の中で輸入車の販売台数の割合が最も低く、その少ない輸入車のほとんどをドイツ車が占めています。そうした状況に対してはどのようにお考えですか?
プレヴォ 確かにフランスとはまったく状況が異なります。フランス国内でプジョーはPSAのヨーロッパの売上げの4分の3を占めていましたし、わたし自身、フランスでのプジョーの全新車販売の25%を担うポジジョンに就いていました。プジョーはフランスで生産しているフランスの正統なブランドという誇りもあります。また欧州では燃費も良くCO2排出量も少ないエコなクルマとして、お客様に喜んでいただいています。
日本ではその高い環境性能がまだまだ浸透していません。まずその点からアピールをしていく必要があると感じています。
F 失礼ながらプジョーにエコなイメージはぜんぜんありませんでした。
プレヴォ 欧州では今年、ディーゼルエンジンの「208ブルーHDi」が、長距離走行の燃費新記録を達成しています。43リットルの軽油で2,152km走行したので、燃費は50km/Lです。CO2排出量もわずか79g/kmで、これはヨーロッパ車の中でも低い数値ですし、あるデータによれば、こうした最新のフィルターを備えたディーゼル車はハイブリッド車と比べても有害物質が少ないという結果も出ています。
F 燃費50km/Lって、すごいですねえ。そういえば、今年に入って欧州ブランドがどんどん日本にディーゼルモデルを投入していますが、プジョー・シトロエンは入れないのですか?
プレヴォ まだ今年は終わっていませんよ(笑)。期待していてください。
F 昨年の新車登録台数はプジョーが5,710台、シトロエンが2,321台ということですが、どれくらいの台数を目指すなどの目標を設定されてますでしょうか?
プレヴォ 今年はプラス40%を目指します。
F プラス40%!それはすごい。
プレヴォ 理想的な数字かもしれませんが、プジョーは206がヒットした2002年に日本市場でも約1万5000台を達成した経験があります。ですから本来はそれくらいの力はあるわけです。現状は理想と現実に乖離がありますが、そこは競合と競い合いながら上を目指していきたい。
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